前編はこちらをご覧ください。

 クリニックの午後休診日、研修会から夜は懇親会という日に再び調査をする。次々と職員らが出て、残ったのは嫁の車と輸入車のみ。午後1時頃、嫁が出てきて車に乗り込む。向かった先は先週の調査の時と同じショッピングモール。しかし、尾行する探偵は違和感を覚える。駐車場は3分の2が空いているのに、店舗入り口から一番遠くて目ただない場所に駐車したことだ。10分経っても降車しない。すると、1台の車が横付けした。クリニックに停車してあった輸入車だ。嫁はその車に乗り込み、高速道路を南へ向かう。途中のパーキングエリアに入り、降車したところで顔を確認する。それは事前にホームページで確認済みのクリニックの院長で、年齢は50代半ば。二人が向かった先は埼玉県内の老舗デパート。高級ブランドの店舗を廻りバックを購入。男性がカードで支払った。
 この後の尾行に備え、GK大宮支部の探偵も合流させる。他県で同じ宇都宮ナンバーの車では、尾行発覚のリスクが高くなるだけでなく地元の探偵の方が、道路網にも詳しいからだ。デパートから出た二人は、ラブホテルの密集しているエリアに車を乗り入れた。その1軒に入る。探偵たちはその出入りの証拠を捉えるためにすぐさま配置につくが、二人は車から降りてこない。結局、車は発進し嫁の車が停車してあるショッピングモールに。嫁は自分の車に乗り換え、男性はそのまま出て行った。想定するに、ラブホテルは嫁が拒否したのだろう。
 状況を依頼人へ報告し、調査終了か継続かの判断を仰ぐ。依頼人の要望は帰宅するまでとのこと。すると嫁の車はある病院の駐車場に入った。ほどなくして嫁と同年代と思われる男性が助手席に乗り込む。車は何の躊躇(ちゅうちょ)もなく近くのラブホテルに入った。日付が変ろうとする頃、ラブホテルを出た車は、病院の職員駐車場付近で男性が降車。男性の尾行に切り替える。行き着いた先は、明かりがともる分譲地の住宅だった。男性の素性調査をしたところ、嫁と同じ看護学校の同級生で、妻子のある男性だった…。

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