「妻の脳裏によぎる『浮気』の2文字。妻と相談して実家へ帰る口実をつくり、再び調査開始。退社した夫の車はコンビニで飲食物を買い込み、自宅とは反対方向の鹿沼方面へ…」 -前編から-

 車は、工業団地内の公園駐車場に駐車してあった車の隣へ。はその車の助手席ドアを開ける。運転席の笑顔の女性を、ルームランプがはっきりと映し出した。夫を乗せた車は、何のためらいもなくインター付近のホテルへ。

 約4時間後、ホテルを出た車は公園の駐車場へ戻った。女性の尾行に切り替え、家の所在を突き止めた。その一軒家は、あきらかに女性が独身でないことを物語っていた。依頼人である妻に報告。映像を確認した妻は絶句した。夫の浮気相手は職場の同僚であり、妻が退職するまで共に働いていた同期入社の女性で、さらにその女性の夫も同じ会社の社員だった。驚愕(きょうがく)の事実が明らかになった。

 「事実は小説よりも奇なり」いう言葉があるが、まさに探偵の世界では決して珍しいことではない。

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