「妻の浮気調査がばれてしまい、子どもを連れて家を出た…」と30代の夫が相談に来た。依頼人は、GKが十数年来新規採用信用調査を請負っている取引先企業の人事部長からの紹介だった。
調査スキルもないのに、安さだけを売りにしている、いわゆる「名ばかり探偵」の失態が後を絶たない。ホームページの出来栄えと、費用の安さに引かれて依頼したが、まったく役に立つようなものではなかったと後悔する依頼人。その内容は、妻の車にGPSをつけて行動を監視すれば安いですよと勧められたのだった。
昨今、妻の浮気が増えていることは、本欄でたびたび記事にしてきた。妻の浮気の場合、相手方の車に乗り換えるのがほとんどであり、妻の車の場所にのこのこと出向いて行ったところで、駐車してある車を張り込んでいてもまったく意味のない行為である。また、場合によっては刑法に抵触することもある。プロの探偵の尾行とは、調査対象者である妻が不倫相手の車に乗り換えれば、その車を車やバイクのテクニックを駆使して尾行し、公共交通機関に乗り換えた場合には、徒歩尾行に切り替え尾行が露呈しないように細心の注意を払いながら、時には大胆にその瞬間の映像等を撮影する。そして手に入れた映像は、万一裁判になった場合でもその証拠を疎明できるものでなくてはならない。料金の安さだけで契約しても、結果は全くついてこない。
その報告書を見ても、ただ妻の車が写真に写されているだけで、「何時から何時まで張り込むも変化なし」などと、まるで詐欺行為のようなことが平然と記されているのだ。このようなずさんな報告書を何度も目にしてきたが、これでは、まったく探偵のステータスが向上しない。この現実に憤りさえ覚える。さらに、この「名ばかり探偵」は、結局尾行がばれてしまい、ついには警察に駆け込まれ、結果的に夫が調査を依頼したことが妻にばれてしまった。そして、それをタイミングのいい口実として、子どもを連れて家を出て行ってしまったのだという。
妻の様子に変化が現れたのは、下の娘が小学校に入学して、パート勤めをはじめて1カ月を過ぎた頃、ないはずの残業などと理由をつけて、帰宅が遅くなることが多くなった。そして、学童保育への迎えも、近くに住む母親に頼むことが頻繁になった。さらに、化粧には無頓着だった妻の顔には念入りな化粧が施され、身に着ける下着も派手になったと。調査開始。妻の警戒は尋常ではない。しかし、理不尽な思いを抱えている夫のために、そして、探偵という職業の汚名を晴らすために、万全の態勢で調査にあたり、ようやく妻の行動パターンと不倫相手の影をつかんだ…。
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