【母親の憔悴。娘たちは父の浮気相手が家族ぐるみで十数年来の付き合いがある女性であることを知った。まさか…。】
妹が盗み見た父の携帯で、来週の土曜日に会うことが分かった。調査当日、朝8時に父は作業服で社有車に乗って家を出た。まっすぐに会社に向かうと、すぐさま事務所から大きめの紙袋を持って出てきて、車を走らせた。10分程の所にある工業団地の取り引き先に立ち寄り、15分で出てくると、会社には戻らずに南へ車を走らせる。県境にあるコンビニの駐車場へ。父は着替えを始めた。紙袋には着替えが入っていたのだ。着替えが終わると車でショッピングモールの駐車場へ。車外に出て携帯で話をしていたかと思うと、女性が近づいてくる。女性はマスクで顔を隠すようにしている。父が浮ついている様子が手に取るように分かる。
女性を乗せた車が向かったのは、銀座。駐車場を降りたとき、女性はマスクを外し素顔に。息をのむほど容姿が整っていた。ブランドショップを巡り、高級すし店で食事をし、またブランドショップを巡ること5時間。女性は大量の買い物をして、すべて父が支払う。腕を組むこともなく離れて歩く。この女性は父に対して好意はないという空気がまん延している。午後7時、銀座を出発した。
このまま帰るのだろうか?
金持ちの社長が女性に貢ぐだけで、体は許さないというケースが多い。ただの金づるだ。ところが、ラブホテルに車を乗り入れた。しかし、車から降りてこない。ようやく20分が過ぎて二人は自動ドアをくぐった。それから1時間後出てきた。女はマスクをしていた。駐車場の照明が車内の二人を無防備に照らしており、その様子を撮影していく。父は財布を取り出し、あろうことか、数万円を女性に渡した。その後、ショッピングモールで女性を降ろした。
女性の尾行に切り替える。女性は父の車が去ったのを確認すると、自分の車のトランクを開け購入したものをすべて入れた。それから車は駐車場内を回るだけでなかなか出口には行かない。明らかに警戒していることがわかる。その後もたびたび点検行動を行いながら、ようやく3階建てのアパートに着き、トランクを開けることもなく、歩き出す。探偵たちはすばやく玄関側とベランダ側に回り込む。鍵を挿すこともなくドアを開けた。ベランダ側からは、部屋の明かりがついていた。同居人がいることは間違いない。後日の調査で、その女性はひと月前に再婚していたことが判明。間違いなく、家族ぐるみでつきあっていた女だった。依頼人である娘は、母を裏切り、父を金づるにした女を絶対に許さない、と事務所を後にした…。
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