26歳の金融機関に勤務する依頼人。清潔感があり知的で聡明な印象を受ける。親戚関係の刑事からGKを紹介されたと父親と相談に来た。この刑事は、3年ほど前、浮気調査張込中に偶然に車上荒らしと遭遇した我々が現行犯逮捕した時に担当してくれた刑事だった。

 相談内容は、「車を傷つけられている。犯人は分かっている」。勤務時に駐車してある自分の車が、ここ半年で3回、鋭利な物で真横全体を傷つけられたという。写真を見たが相当鋭利な物で殺傷痕線状に3メートルもつけられている。修理費用がかさむため、塗装だけで処置したという車は凹の状態がひどい。それから1カ月後、今度は反対側に同じようなことをされた。警察に相談しようとしたが、金融機関という職種上のためらいがあり、ちゅうちょした。それを見透かしたように、1週間ほど前、また、やられた。3回目だった。

 依頼人は実家から通っているが、交通手段が不便な場所でマイカー通勤が認められている。駐車場は個人で用意しなくてはならないことになっており、総務が窓口となり、通勤者の1人を代表者として30台ほど駐車できる月極駐車場を借り受け駐車している。事情を説明し、駐車位置を変更してもらった矢先だった。

 犯人は、以前1年ほど交際をした同期入社の元彼だと言い切る。社風上、社内には内密に交際していたという。3カ月を過ぎた頃、彼の独占欲が自分に対する愛情ではなく、自我の嫉妬心によるものと気づいていく。休みの日は必ず会うことが義務になり、重荷となった。1人の時間がほしいと伝えると、柔和な顔が一転、ジキルとハイドのように変貌する。上司や他の男性社員と親しげにするだけで責められ、所属部署内の飲み会に参加する日は、終わるまで近くの駐車場で待機。もちろん2次会などは絶対に行けない。社内における彼の評判は良い。人当たりが良く穏やかで何事もスマートに立ち振る舞う。しかし、実態は嫉妬心が異常で、出身大学の名前だけで人を見下してしまうような人間であることは私しか知らないと依頼人は嘆く。

 極めつけは、別れを切り出そうと思っていた時、何の相談もなく実家に連れて行かれ、結婚を前提に交際していると紹介されたことだ。母親の丁寧なおもてなしの中に垣間見た値踏みする視線、正直鳥肌が立った。それを機に思い切って別れを告げた。意外にもあっさりと分かったと言ったが、その不敵な笑みには恐怖を感じた。車だけでは済まされないような恐怖を感じたとおびえる依頼人がいた…。

 GKは警備業(ボディガード)の認定を受けている唯一の探偵事務所であり、証拠保全と犯人捕獲の実績を踏まえ悪質な犯人に立ち向かう。

*本文はいくつかの事例を基に構成されています。盗用・無断転用・無断転載を一切禁じます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です