GK探偵事務所の浮気調査の依頼については、栃木・埼玉・東京の弁護士からの依頼が40%を超えるまでになった。今回の浮気調査も、女性弁護士からの「許されざる浮気」の訴訟に勝つための証拠固めの依頼だった。

依頼人は教職者で夫は8歳年下のやはり教職者。職場が同じ時に知り合い、結婚3年目で3カ月前に女の子が生まれ現在は産休中。夫の相手とされる女性も教職者で、その女性の夫も教職者であるという。4人は旧知の仲だった。夫の様子に変化が見え始めたのは、1年前の人事異動で、夫とその女性が同じ学校になった頃からだという。会話も途絶えがちになり帰宅時間も遅くなっていく。依頼人を意識して避ける空気がまん延していく。子どもが生まれたことによる戸惑いと意識の変化なのだろうかと、努めて普通に接してきた。ところが、日常のささいなことで何かにつけて怒るように。けんかを仕掛けているように思えてならない。そんな状態が続いた時、夫と女性と同じ学校の妻の友人から、その女性が離婚したとの噂話を耳にした。加えて、夫と一その女性の親密さが憶測を呼んでいるとの忠告もあった。日増しに胸が締め付けられるような嫌な予感が渦巻いていく。離婚の話を耳にしてからほどなく、夫は休みの日も出かけるようになった。2人が車に同乗しているのを見かけたなどの話を耳にするようになっていく。

2カ月ほど前、夫から別居して今後のことを考えたいと唐突な話があり、妻は感情が抑えきれずに、今まで耳にしたその女性のことなどまくし立て、出て行ってと怒鳴り散らした。案の定、「君とは暮らせない」と夫は出て行った。冷静になって考えると、夫の作戦に乗せられてしまったと悔やんだ。

調査開始。夫を学校から尾行する。警戒はしているものと想定していたが、その警戒ぶりは予想を超えていた。無理は禁物。とにかくどこで暮らしているのかを割り出さなければならない。バイクを使い車を替え日ごとに間合いを詰めていく。 慎重に尾行を重ね、4日目に所在をつかんだ。宇都宮市郊外の古い住宅地の、車がすれ違うことのできないような狭い道路に囲まれた平屋建ての古い貸家だった。その場所は、いわゆる探偵泣かせの場所であり、張り込む位置もなく、撮影できるような場所もない。唯一の場所は道路向かいにある廃墟と化している家屋。家主の許可を得るべく所有者を捜し接触、浮気調査とは告げずに、当たり障りのないシナリオで話をして、立ち入りの許可を得た。凍てつくような寒さの中、闇に紛れ張り込みを続けた。その女性は金曜から月曜の朝まで夫の元に滞在していた。宿泊の証拠を固め、弁護士と妻に報告。妻は全身から、ただならぬ憤怒を発していた。

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