「多分、夫には女性がいます」と、まもなく60歳になる妻。半年前に夫の郷里であるF県で開催された同窓会へ参加してから、夫に行動の変化が現れてきたのだという。
夫は1年前に定年を迎えた。ギャンブルもやらず、趣味といえば盆栽と骨とう品集め。まじめが取りえの公務員だった。夫が趣味の仲間と出掛けるという日を調査日とした。
夫は高速道路を北上しF県のあるインターで下車し、ファミレスの駐車場へ。ほどなくして同年代の女性が車で現れ、その後、夫の車で名所を巡りラブホテルへ。約5時間後、女性尾行に切り替えたところ、車で20分程度の閑静な住宅街の一軒家に入った。後日の素性調査により、夫の同級生であり、女性には夫がいることも判明した。
つらい報告になった。その女性の名前を告げたところ、あこがれの女性として夫は何度か口にしたことがあったという。妻は「老いらくの恋ってものでしょうか?」と自分に語りかけるようにつぶやいた。一時のものなのか、それとも「恋(本気)」なのか? それを見極めるため、1カ月後の「骨とう趣味の仲間との関西旅行」を次の調査日とした。