前編はこちらをご覧ください。

 調査開始。本人の居住地を特定することが先決。県内の事業所の近くに潜伏しているとの想定とは違い、都内の夫婦が住んでいた隣駅の5階建てのマンションだった。直線距離にして2キロと離れていない。夫の部屋は3階で、ドアの開閉を視認できるのは向かいにある小さな公園の片隅しかない。夫の休日、探偵は目立たぬよう息を凝らしてドアを注視する。女性の出入りがあるのか、すでに女性が部屋の中に居るのか。張り込みが4時間を経過した昼過ぎ、夫が1人で部屋を出た。最寄り駅とは反対方面に向かう。徒歩尾行の探偵とその後ろから、バイクを押しながら尾行する探偵が慎重に後をつける。行きついた先は20分ほどの場所にある月極駐車場だった。そこに、妻から聞いていた夫の車が駐車されていた。

 車が出た。バイクが尾行する。幹線道路をショートカットして商店街の道路等を抜けていく。バイクはできるだけ姿をさらさぬよう、車のテールを追い続ける。そして20分ほどの住宅街に停車した。すると、成人しているとは思えない女性が小走りで車に乗り込んだ。いわゆる「萌え系」といわれる女性だった。車は、高速道路を北上。尾行車両が追いついたのは高速道路のPA。これで、車とバイクの2台態勢で尾行ができる。行きついた先は那須。所々に立ち寄り、夫は女性を写真に収める。日帰り温泉に立ち寄って月極駐車場に戻った。手をつなぎ夫が女性の荷物を持ち、2人はもつれ合うように夫のマンションに消えた。

 訴訟まで争う場合に備えて、部屋を出る映像を押さえ、加えて女性の素性を割り出さなければならない。長い張り込みになった。2人が入室してから、20時間が経過した午後4時過ぎ2人は出てきた。最寄り駅まで夫が送る。女性を尾行する。電車を乗り換え、住宅街の一軒家に帰った。後日の調査で、その女性は20歳の女子大生であることが判明。妻は「萌え系」の女性と交際していたという趣味に茫然自失となった。

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