【妻は調剤薬局の薬剤師で責任者。夫は工場勤務で収入は妻の二分の一。妻は裕福な家庭に育ち薬学部を卒業、夫は母子家庭のため工業高校を卒業して就職。夫と夫の母親も、妻の両親との資産の格差から肩身の狭い思いを強いられてきた。ここ半年、急に妻から夫の収入に対するさげすみが始まり、学歴や会社における立場の違いなど侮蔑がエスカレートした。夫は耐え忍んだ。妻に気に入られようと家事のほとんどをやるようになった。それでも、妻からはけんかをしかけてくるような言動が増え、ついには夫に罵詈(ばり)雑言を浴びせ、別居する、離婚すると告げられた。週1回だった本社での勉強会~飲み会という日が3回になり、朝方に帰宅するような時も。何も言えない夫は自分の不甲斐なさに打ちひしがれたが、男の矜持として、「私が悪いのか? 他の理由があるのか?」と真実と向き合う覚悟を決めた…。】

 妻の勉強会がある日に調査をする。午後5時、妻が勤務先から出てきた。バスで最寄り駅に。そこから電車に乗りある駅で降車し本社ビルへ入った。午後6時半に妻が出てきた。一人だった。飲み会であれば数人連れ立ってくるはず。妻は駅に隣接するショッピング施設の食材売り場でワイン・チーズ等を購入し、自宅のある駅で降車。自転車置き場から自転車を乗り出した。自宅? そんなはずはないと思った矢先、自宅とは反対方向へ。探偵たちも追う。下見調査の時、自転車を置いておいたことが功を奏した。

 慎重に尾行する。妻は10分程にあるマンションの自転車置き場に乗り入れエントランスに。ここはオートロックのワンルームマンションだった。エントランスのガラス越しに点滅した部屋ナンバーを視認する。その部屋は一番端の部屋だった。インターホンを押す妻。ドアを開ける男性らしき影。それから5時間を過ぎた頃、ドアが開いた。明らかに男性であることが映像に残った。すぐさまベランダ側へ回ってみる。するとカーテンを開け、上から見送る男性の顔が鮮明に映し出された。50歳を過ぎているであろう男性だった。驚くことに、自宅とマンションの距離は2キロほどしかなかった。

 このパターンが週に2回。不貞行為の証拠をつかみ、その男性の素性を洗う。その男性は単身赴任をしている製薬会社の社員だった。後日、夫に報告。つらい報告になるだろうと覚悟していたが、「私がさげすまれていたわけではなく、妻には男がいたからだということがわかりました。私が悪いわけではない。自信が取り戻せた」と、晴れやかな態度が印象に残った。「離婚し、男には社会的制裁を受けてもらいます」と報告書を手に弁護士事務所へ向かった。

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