知人の警察関係者から紹介されたとGKを訪れた50代の夫婦。
栃木県北で会社を経営する3代目。

仕立てのいいスーツに身を包み、程よい威厳と品格が備わっている。
あいさつもそこそこに、しばらくは、夫は瞑目し妻はうつむいたまま。

よほどつらい悩み事があるのだろうと、じっと言葉を投げかけてくれるのを待つ。

そして、ついに意を決したように夫が口を開く。
相談内容は、嫁いだ娘の居場所を突き止めてほしいというものだった。

「嫁ぎ先の娘の居場所?」
肝心の内容は何も言わない。

こちらから言葉を投げかけながら、少しずつ状況を積み上げていく。
娘は30歳。
反抗期もなく、両親が手を上げたことなど一度もない。
近所では誰もが、明るく感じの良い娘だと口をそろえる。

そして、県内の短大を卒業し、娘の希望をかなえたいと父親の政治力で念願の幼稚園の教諭になった。
25歳の時に、父親の言われるまま、取引のある会社の跡取りと結婚した。
幼稚園の教諭を続けたかったが、その願いもかなわず結婚を機に退職し、1年後男の子を授かった。

嫁ぎ先は、会社と30年来つきあいのあるお得意先で、売上の 割を占めている。
「娘の結婚は現代版政略結婚、邪心があった」と父親は重い口を開いた。

娘は、短大時代に交際をしていた彼がいたが、一度家に連れてきたとき、
礼儀を欠いた振る舞いとその身なりに激怒して、娘を説得して手を切らせた過去がある。

回顧すれば、娘の気持ちも考えず、親の価値観を一方的に押し付けてしまったと、後悔の念を吐露した。
嫁ぎ先の両親は心温かな人物で、10歳年上の夫も、経営者の息子にありがちな傲慢(ごうまん) さのかけらもない。
家族と愛犬を大切にする真面目な夫で、怒るということは無縁だった。

両家の関係も、年に一度は双方の兄弟姉妹を連れ立って海外旅行に行くような、はたから見れば、
経済的に も将来的にもうらやむ関係を築いていた。

それなのに娘は家を出た。一通の書き置きと5歳の愛息を残して。
「探さないでください。ごめんなさい」。

愛する子を残してまで家出に駆り立てたものは何だったのか?
現実を受け入れられないなか、両家とも世間体と信用問題から、ことのほか事実発覚を恐れた。

なすすべもなく、1カ月が過ぎた…。
ただ、夫はことのほか冷静というか平然であることに娘の両親は違和感を覚えていた…。

もはや世間体を考えていては事態が悪化するのは明らか。
警察に家出人届を提出し、弊社で捜索することに。

捜索開始から5日後、夫の両親宛てに届いた一通の手紙。
そこには家出した理由を裏づける誰も知らない夫の本性がつづられていた。
驚愕(きょうがく)の事実が明らかになった…。

※ 本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。

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