夫は15歳年上の会社役員。共に九州出身で、夫の転勤に合わせて5年前にさいたま市に越してきた。1年前に戸建て住宅を購入しここで暮らしていくことを決めた。依頼人である妻は29歳、8歳の娘がいる。夫は典型的な九州男児で、亭主関白、経済的にもゆとりがあり妻が働くことを許さなかった。妻は専業主婦として平穏に暮らしていた。最初は、この安定した生活に満足を得ていたが、刺激のない生活に物足りなさを感じ始めていく。
 妻は私立の学校に通う子供の迎えまでの時間に、求人サイトで見つけた都内にある「昼キャバ(昼間に営業しているキャバクラ)」に勤め始めてしまう。もちろん夫には内緒。童顔で20歳位にしか見られない容姿とその愛嬌の良さで指名客もついた。その中の1人である男性と深い関係に陥った。その男性は、在宅医療専門の医療機関に勤める30代後半の医師だった。毎週、平日の休診日に通い詰め、ついにその誘いに応じてしまった。その男性も妻と子供がいる。最初は平凡な毎日の物足りなさを埋めるための刺激的な交際だった。しかし、半年を過ぎたころ、言葉にできないほどの罪悪感が妻を襲ってきた。別れを切り出したが、男性は納得してくれない。逃げるように店を辞めた。しかし、教えていないはずの自宅を男性が知っていたという事実に、妻は恐怖に震えた。執拗に続く誘いに、最後に1度だけデートに応じるという条件で密会した。
 夫にバラされたらという恐怖に、求めに応じてしまった自分を悔やんだ。それから2カ月、男性からの誘いも途絶え、平穏な生活に戻ったと思われたある日のこと、男性の妻からの電話があり、驚くべき事実を告げられた。それは、最後に関係を持った時、男性が盗撮していて、それを妻が見つけたというものだった。男性の妻は、自分の夫の責任にはまったく関知せず、妻を罵倒し汚い言葉を吐き、妻は精神的に追い詰められてしまった。
 警察に相談。盗撮とはいえ、それをネタに恐喝したり、ネットなどに公開せずに自分自身だけで鑑賞する段階では、逮捕することできないと。それからも、男性の妻からの嫌がらせの電話は続後半に続くく。小学校へ送り迎えをする妻に対して、尾行しているとかその内容はエスカレートしていく。妻は、男性の妻の顔は分からない。妻の不安は増大し、次第に1人で出かける事が出来なくなった。
 弁護士に相談し、「男性の妻の顔を知り、自宅を判明させること。その妻が自宅付近をうろついたり、後をつけて来るようなことがあれば告訴できる」と。弁護士からの紹介でGKに。まずは、その男性の自宅を割り出さないことには、その妻の映像が撮影できない。男性の勤務先からの尾行が始まった…。

後半に続く

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です