6月某日、都内の弁護士からの電話。GKとは以前から多種多様の事案について連携して仕事をしている間柄。その内容は栃木県内に住む息子の嫁のことだった。 

先日、息子から我慢の限界という連絡が。それは息子の妻の素行。息子と嫁は共に30代半ば、結婚5年目で子供はいない。その嫁は20歳の時にミス○○として、行政のイベントなどのPR活動に従事しており、その美しさは地元で知られている女性だった。その活動を辞 めてから、県内では高級店とされるクラブのキャストとして働く一 方、音楽の才能もあり、 アマチュアバンドからも数多くの声が掛かった。息子は隣県の病院の勤務医で、製薬会社 の接待でその店へ行き、知り合い、1年程の交際を経て結婚。 

父親である弁護士は、息子の結婚には大反対してきたと、時折怒りを抑えきれないようにその経緯を話した。嫁は離婚経験があり、結婚後クラブは辞めるが、音楽活動は続けたいと。息子は地味な医師で、唯一の趣味はサッカー観戦。嫁は息子本人というより、医者という職業ありきの結婚であることは明らかだったと憤る。さんざん息子には説得を試みたが、勝手に籍を入れてしまった。当然、息子夫婦との関係も疎遠になり、年に1回しか顔を見せないような状態が続いていた。 

その息子が意を決し、父親にSOSを送ってきたということは、よほどつらいのだろうと息子を全面的にバックアップすることに。そこには、文句を言いながらも息子との関係が修復でき、父親として頼られたという喜びが伝わってきた。後日、息子が訪ねて来た。度の強い眼鏡をかけ、服装にも無頓着な、真面目で控えめな人物がいた。見せられた写真は今でいう「美魔女」と称されるような美しい女性だった。妻の行動は、土曜日のほとんどはバンド活動とその打ち上げで帰宅は朝方。平日も24時間営業のジムに、息子が帰宅してからも出かけることも多い。子供は欲しくないと夫婦関係もまったくない。一緒に食事をとることも週に1回あればいい方だ。2年前から寝室も別に。病院の夜勤明けのとき、昼間に帰宅しても妻は寝ている。働くこともなく、ただ自由を謳歌(おうか)して、服飾やら何やらと、浪費も激しい。

もう限界だと思ったとき、自責の念に駆られながらも妻の部屋に入った。そこで見つけてしまった「妊娠検査薬」。頭が真っ白になる。息子は世間に疎く、浮気はテレビドラマなどが誇張しているだけだと妻を疑わなかったが、このままでは精神的に持たないとつぶやいた。 

調査開始。

美魔女としてもてはやされる一人の女としての、妻の驚愕(きょうがく)の行動が明らかになっていく。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です