【「車を傷つけられている。犯人はわかっている」。ここ半年で3回鋭利なもので車全体の真横を傷つけられた。26歳女性の悲痛な叫びだった……】

 この手の悪質な犯罪は、現行犯逮捕が最善策と警察関係者からアドバイスされている。証拠保全の後の被害届では、どうしても捜査も後回しになってしまうし、手続きが煩雑になってしまうからだ。もちろん危険も伴うので、プロに向けてのアドバイスである。GKは警備業の認定を受けている唯一の探偵事務所であり、証拠保全と併せた犯人確保は実績がある。

 依頼人と犯人であろう元彼が共に金融機関で働いていることで、社会的信用という面でどうかと話を向ける。すると、依頼人の父親は「車への傷と安易に考えてはいけない。車への傷は、依頼人の体への傷の代償行為であり、社会的な体裁とか面子とかを優先したり、相手が会社を辞めさせられることになったらかわいそうだとか、情けをかけるのは絶対にいけない。現行犯で逮捕して、きちんと社会的制裁を課して厳罰に処すことが必要不可欠である」と語った。依頼人も成り行き次第では、退職することも辞さないと覚悟を決めたという。

 別れを告げてからも、元彼からは何事もなかったように平然とメールが送られてくる。その内容は身の毛もよだつ薄気味悪いものになっていた。例えば、「あの旅行の時、妊娠しなくてよかったよね!」「〇課長は▽▽と不倫してるよ!手が早いから、気をつけてよ!親しいみたいだし(笑)」等々。犯行に及ぶ日時を想定する。今まで3回、傷をつけられた日を分析していく。するとその日は、いずれも本店へ立ち寄るため、元彼が午後4時前後に勤務先を出る時だったという共通点が。元彼が本店へ立ち寄る日は3日後だった。依頼人と元彼の駐車位置、証拠撮影のポイント、スタッフの配置場所等念入りに下見をする。撮影ポイントとして、隣接するアパートの住人に交渉してベランダを提供してもらう。

 Xデー。午後4時ジャスト。元彼は社員通用口から出てきた。道路を横断して駐車場へ向かう。鞄に手を入れた。何かを手にして依頼人の車をなぞった。「やりました!」との無線を受け自分の車に乗り込もうとドアを開け運転席に座った時、スタッフが確保。手にしていたのは小型のハサミだった。犯人は激しく抵抗し、スタッフが半身にもかかわらず、ドアを開けたまま車を出した。その瞬間、別のスタッフの車が前をふさいだ。110番通報により、警察署に連行された。その時の悪びれた様子もなく、淡々と現場検証に立ち会う犯人の表情は不気味であり薄気味悪さが残った…。

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