「内部告発が…」と相談にきたある企業のコンプライアンス(社内倫理規定)を統括する部署の課長。この企業は、栃木県内に宇都宮市を含め10カ所の営業所を持つ。
 告発書にあるのは、営業課長の職にある者が、大口お得意さまの経営者夫人と関係があるというもの。内容によるとほぼ毎日のように日中密会しているという。調査により真偽を確認することに。
 結果は調査初日から出た。営業課長の車の向かった先は、大型ショッピングセンター。開店時間に合わせるように車を地下駐車場へ乗り入れる。数分後、到着した夫人の車の後部座席に乗り込む。そして…。
 調査5日間で4日間密会、そのうち2回はホテルで4時間程度過ごした。依頼人である課長は部長を伴い報告を受けに。「営業成績がいいだけにその処遇には頭が痛い。しかし、万が一発覚した場合、企業の信用の失墜は避けられない…」と部長は苦悩していた。


 企業の危機管理というと情報漏えいなどに目が向きがちになる。しかし、どこからどのような情報が漏れるかわからない現在では、誰もが情報発信者に成り得るし、あっという間に拡散されてしまう。もはや社員の素行面の管理も必要不可欠だ。

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