「婚約者の素行調査をしてほしい」と県北に住む30代半ばの女性。女性は、自宅での相談を希望したために、女性スタッフを一緒に同行させた。

 老朽化した貸家の軒先には、子どもの洗濯物が。さらに玄関先に立つと、あきらかに線香のにおいが鼻につく。タッフを襲う不審感。家に上がり、まず目についたのは真新しい小仏壇と遺影と位牌だった。

 早速、話を聞くことにした。相談者が言うのには、夫は49日の法要が済んだばかり、がんで半年の入院の後に亡くなったという。婚約者というのは、夫の入院中に出会い系サイトで知り合ったという茨城に住む同年代の男性で、夫が他界したあと5回ほど会ったが、深い関係になったのは一度だけ。その後は、女性が望んでも断られる。また、女性は茨城から来てくれるからと、毎回必ず5万円を手渡している。そして、いず結婚したら、2人でお店をやろうと約束しているという。

 探偵が感じたきなくさい予感。女性は男に死亡保険金の話をしていた。これで探偵の予感は疑いから確信に変わった。

 女のもろさと男のずるさが展開する。

 -後編に続く-

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