夫が骨とう仲間との旅行だという日、早朝から車を尾行。新幹線の駅で、妻の姿が見えなくなると、夫はおもむろに携帯でメール。上りの新幹線へ乗車した。座席番号を確認してまもなくシートへ。隣には、予想通り、前回調査したとき関係があった郷里の同級生が既に座っていた。他の同行者は見あたらない。二人きりの「不倫旅行」であることに確信を得た。
 二人は京都駅まで行き、駅前のホテルに荷物を預けるとガイドブックを片手に寺院などを精力的に回った。しかも終始手をつないで…周りには定年を迎えた仲のよい夫婦としか見えない。日も暮れるころホテルにチェックイン。この状態が3日間続いた。
 後日、妻に報告。妻は語った。「何よりもショックだったのは、旅行そのものより、仲むつまじく手をつないでいた姿なんです。お見合いで結婚して以来、手をつないで歩いたことなんかありません。必死で働いて、子育てして無我夢中でした」。落胆した妻にかける言葉は見つからなかった。

 調査映像は、時に残酷なものとなる。しかし、現実を受け止めて一日も早く心の整理をつけること。それが次の一歩の始まりなのではないだろうか。

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