その女性社員は離婚歴があり子供と実家で暮らす入社15年の経理課の社員。夜、飲食店でバイトしているのではとの噂が絶えなかった。調査はまず、この女性の退社後の行動を追う。調査3日目の金曜日の退社後に動きがあった。一旦帰宅するものの午後7時過ぎ、迎えに来た黒いワンボックスカーに乗り込む。向かった先は駅東口の繁華街。同年代の女性3人とマンションに入る。40分程経過し、ドレスに着替え髪をアップにしたその女性が出てきた。すると、向かい側にある6階建てのキャバクラ店が軒を連ねるビルの4階へ。やはり飲食店でバイトをしているという噂は本当だった。
バイトしている証拠を押さえるため、探偵2人が店に潜入する。本人と接触するため、場内指名(店に入り、気に入ったキャストを指名して席に呼ぶこと)をして、その女性社員を席に呼ぶ。会話を録音し働く様子も隠しカメラで映像に押さえる。30分後、女性に指名が入った。そこには1人で入店してきた2代目がいた。探偵はトイレに向かいながら2人の様子も押さえる。2代目は、女性社員がバイトをしていることを知っていた。就業規則(二重就業の禁止)に抵触することでもある。探偵たちは店を後にして、張り込み開始。結局この日は2代目は深夜1時頃に代行車で、女性は3時に店の車でそれぞれ帰宅した。
翌々日の日曜日、2代目は午前10時頃自宅を出て、女性宅の近くのスーパーの駐車場ほどなくして、女性社員が助手席に乗り込み向かった先は銀座。腕を組み笑みを見せながら銀座でのショッピングを楽しむ。その日は10万円を超えるバックを購入した。もちろん支払いは2代目のカード。帰り道は岩槻インターで降り、ラブホテルへ。浮ついている2人は、全く警戒の目を向けて来ることもない。後日、背任行為ともいえる不正な領収書が見つかった。それは、探偵が潜入した日のキャバクラ店のもので、5人と記載された接待交際費。さらに女性に買ったバックを社用品として処理するようにとの経理課長への命令だった。その後、株主総会は終わったはず。どのような結果になったかは知る由もない。