前編からの続き

驚愕(きょうがく) の事実が判明した。妻から預かった社員の集合写真に写る2人の女性社員のうちの1人だった。それは妻が疑っていた女性とは別の女性。当初、この女性はありえないと妻は言っていたことを思い出す。その女性は夫よりも年上の50代半ば で、どこにでもいる地味なタイプだったからだ。調査を続けると、女性はそのアパートに住み、夫は泊りはしないものの昼夜を問わずに頻繁に出入り。休日も二人で出掛け、県外の時は決まって手をつなぎ、腰に手をまわす。調査中その部屋を見渡せる高台から、夫が下着でいる場面や電灯が2時間ほど消える場面、2階から手を振る女性の姿など不貞としての証拠を捉えた。 

妻の要望により、女性の素性等の調査をすると、そのアパートの名義、光熱費もすべて会社になっている。女性は夫が工具メーカーに勤務していた時に別の部署で働いていた。結婚歴はない。夫が5年前にその工具メーカーの代理店として独立し、2年前に女性に声をかけ 社員として雇用したのだ。

報告の日、妻は都内で会社員をしている息子と来た。息子は父の母に対する冷たさや、家族に対する金銭の締め付け、それでいて自分だけはゴルフ、酒に興じる自己中心的な父に対して強い反感を持っていたから、家を 出て都内で就職した。「絶対に父を許しません。きちんとけじめをつけさせて、両親が離婚したら栃木に戻って母と暮らします」と優しいまなざし で話してくれた。息子の優しさに妻の眼から涙があふれた。

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