調査1回目。夫の就業時間終了の午後8時に勤務先で張り込む。しかし、夫の車は大型トラックに囲まれているような位置で直接は視認できない。門を出ると片側2車線の幹線道路であり、中央分離帯もある。門を出て左にしか行くことができないものの、その車では張り込む位置がない。そのため、探偵1人を門から出て来る車両を視認できる位置に潜ませ、追跡車輌とバイクは100メートル程の先のコンビニで待機させる。

 30分後、夫の車が出てきた。すぐに右車線に入るが、スピードを上げずに法定速度程度で走っている。おかしい…。これは尾行を警戒している動きに他ならない。以前頼んだ素人悪徳探偵が、尾行に気付かれたことを物語っている。車は速く走る分には、尾行は難しくないが、ゆっくり走られると、極端に難しくなる。やむを得ず、追跡車輌は一般車両と同様の動きで夫の車を抜き去るしかない。頼みの綱はバイクだ。夫の車両のバックミラーとサイドミラーの死角を慎重に尾行する。夫の車は、ウィンカーも挙げずに右折したり、突然路肩に停車したり、明らかに警戒している動きで40分ほど車を走らせ、トラックも駐車できる広い駐車場を備えたコンビニの一番奥の駐車場に車を停めた。

 それから15分後、明らかに女性の車と判断できる派手な色の軽自動車が隣へ停車した。夫がその軽自動車の助手席に乗り込み、そこから10分程のラーメン店に入る。運転席から降りてきたのは、夫よりもひとまわり近く年上と思われるような、身なりの派手な女性だった。すでに警戒心はないことは、手をつなぎ寄せ合っていることで見て取れる。ラーメン店を出た二人は、車に乗り込みキスをした。ドアを開けルームランプが消えるタイミングでの映像を押さえる。その後、夫の車があるコンビニの駐車場に戻り、30分程して別れた。尾行に切り替え、その女性の住まいを公営住宅の3階だと判明させた。

 調査2回目。この日は夫の誕生日。妻からは、会社に行くふりをして女に会う可能性が高いという。作戦を変えて、警戒している夫ではなく、女性をマークすることに。朝8時、女性が車に乗り込み向かった先は、24時間スーパーの屋上の駐車場だった。ほどなく夫の車も来た。女性は、車から降りずに、車内で運転席から助手席に移動する。夫は、運転席に乗り込んだ。
関東道に乗り速度をあげる。警戒している様子はない。大型バイクを準備しておいたことが功を奏した。着いた先は大洗。海岸を散歩し市場を巡る。その後、ラブホテルに入った。その後の調査で女性の素性が明らかに。とても紙面では掲載できない驚愕の事実が…。

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