夫の夜勤の日に限定し調査を開始してから既に8日目。この日も勤務先を出る午後5時半から自宅へ戻り10時まで動きが無ければ終了という契約に基づき調査を継続する。
しかし、妻の動きは、これまでとは明らかに違う。勤務先を出ると実家に5歳の子供を預けて一人になった。その足でスーパーに入る。女性探偵を潜入させ、買う品物をチェックさせる。すると、出来合いの惣菜とワインやチーズ等飲み会で用意するようなものを購入した。妻は自宅に帰り午後10時まで外出をせず、契約通りの終了時間。「何がが違う?」と探偵たちは感じていた。このまま延長して張り込みを続けたいが、依頼人は夜勤の間は電話に出られないこと、また、子供を実家に預けても午後10時をまわったら絶対に外出しないので調査は打ち切りと、頑なに意思表示をしていたため、やむを得ず調査を終了。
2ブロック先にあるレンタルビデオ店の駐車場に集合して、いつものようにミーティング。スーパーに潜入した女性探偵はしきりに、「一人分ではない。夫は夜勤で夕食は必要ないはず?」とその食材と量を気にかけていた。
その時、駐車場の一番端にライトバンが止まり30歳前後の男性が降り立ったのを目にした。店内入り口付近の駐車スペースもがら空きなのに、一番端に車を止めること自体おかしいし、店には目もくれない。考えられることは、近所の住人が便宜上駐車していることぐらい。
何を指示するまでもなく、探偵たちは尾行を開始するとともに、1人を自宅へ先回りさせた。すると驚愕の事実を目にした。その男性は勝手口から何ら躊躇することなく自宅に消えた…。まさかの事態。妻は浮気相手を自宅に招き入れていたのだ!
翌日、依頼人へ報告。まさかの事態に言葉もでない。後悔し涙と嗚咽が事務所に響き渡る。やがて、意を決したように、徹底的に社会的制裁を加えたいと、あの穏やかな夫とは別人のように豹変した阿修羅のような顔があった。
そして、夫のどうしても浮気現場に踏み込みたい、これまで妻に虐げられてきたことが許せない!との要請で、ボディガード(警備業)を、同行して踏み込むことに。9日後、同じパターンで男性が勝手口から入る。
1階の灯りが消えて、2階の妻の寝室の灯りが点く。そして20分後消えた。夫と夫の兄とボディーガードとして、われわれ2人が土足のままで一気に階段を駆け上がる…。男は抵抗することもなく、罪を認め、ひたすら謝罪する一方で、妻の開き直りと逆切れしたその言動と行動は許しがたきものだった。その修羅場は、とても紙面では掲載できない…。
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