夫が深夜に帰宅し目を覚ます。
夫が入浴する様子をうかがいリビングに向かった。

その時、無造作にテーブルに置かれた夫の携帯にメールが…。
妻は、葛藤しながらもメー ルを開けてしまった。

送信者欄には記憶の片隅に引っかかる名前があった。
メールには、「今日も楽しかったね! チュッ」と書かれていた。
頭が真っ白になる…。

我慢できなかった。
夫を追及すると阿修羅のようになった。

サイドボードに立てかけてあった家族の写真を床に投げつけ、髪をつかまれ引き倒された。
物音に気付いた3歳の娘が降りてきて惨状に大声で泣く。

しかし夫の怒りは収まらない。
何度も何度も謝ってようやくことが収まった。

翌朝、何事もなかったよう いつもどおりの夫がいた。
メールを見たのがいけなかったのだと自分を責め立てた。

いったん身についてしまった DVによる恐怖の支配。
それ から夫は優位的な立場になり、完全な序列が敷かれた。

夫は次第に自由気ままになっていく。
恐怖に支配された妻は夫の顔色をうかがう生活にな る。

そんな生活3カ月ほど続いたが、家計を管理する妻は、通帳からいつもより多額の金額がクレジット会社から引かれていることに目を止めた。
「女に使っているのか?」。

勇気をだして、両親に事の顛末(てんまつ)を話す。
両親は、自分の娘に暴力を振るった夫を許せないと激怒 し、弁護士に相談した。

「泣き寝入りをしてはいけない」というアドバイスに、調査をすることに。

調査開始。
結果は初日から出た。

仕事が終わった夫を尾行する。
夫は正々堂々と、住宅地の一軒家の前に車を付け る。

ほどなくして派手な化粧をした30代半ばの女性が助手席に乗り込みコンビニへ。
人目をはばかるどころか、 無邪気にじゃれ合いながら酒などを買い 込み、なんの警戒心も抱かぬままホテル…。

後日女性素性調査をしたところ、先妻との離婚原因になった女性 だった。
メールの送信欄の名前にどことない記憶があったのはそのためだったのだ…。

後日報告。妻は、しばらく様子をみたい、女と別れたら、また平穏無事な生活に戻れるからと言った。

両親は許したくはなかった。
しかし、娘が懇願する様子を目の当たりにし て、一つの条件を出した。

それ は、両親がその女性に会って話すことだった。
我々はボディーガードとして両親に付き 添い、女性と対峙した。

その女性の態度は、謝罪す るどころか、「慰謝料払えばい いんでしょ。でも金ないし。あ ははは。別れるつもりはない から」と席を立った。
愚弄(ぐ ろう)する態度に両親はただあぜんとするばかり。

現在、妻 は子どもたちと実家に身を寄せ、その女性に対して弁護士を立て慰謝料(損害賠償)を請求している…。

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