【夫の部屋を探索した。台所食器棚の奥に浮気をしていることを「断定するもの」が隠されていた。
東南アジア系女性と居酒屋へ入って2時間が経過しようとした矢先、2人が居酒屋から出てきた…。】
女性は夫の左腕に右腕を絡ませてはいるが、女性から漂ってくる雰囲気や気配というものが、何か刺々(とげとげ)しい。
ゆっくりと繁華 街へ歩いていく。
そして2人は、飲食店に足を踏み入れた。
すぐさま潜入捜査をするための準備をはじめる。
しかし、この手の店は「厄介問題」があるのも事実。
それは入国管理局と警察合同の立ち入りなど。つまり、店の誰かにそちらの部類だと勘違いされては、捜査に支障をきたしてしまうからだ。
そこで、部外者ではあるが、この手の店に精通している一人のよき協力者を呼び出し、サラリーマンに扮(ふん)した探偵とともに店への潜入を実施した。
ドアを開けた途端、いらっしゃいませという言葉とともに全身を包むような独特の匂いと湿気と熱気。
案内された席がついていた。
夫がいる奥のボックス席がまるごと見える位置だったからだ。
まるで2人だけの世界に浸っているようだった。
しかし、探偵 は見過ごさなかった。
夫がトイレで席を外したときの女のうんざりした表情とホステス仲間に不満をぶつけたような言葉を。
深い関係になっているとしたら、間違いなくこの女だろう。 夫に気を持たせ、金を貢がせ、お客としてひっぱるだけ。
これが真面目だった熟年男が陥るブラックホールなのだ。
そして、潜入した協力者が巧みに席に着いたホステスから話を引き出している。
そうこうしているうちに、夫につホステスがまた着替えて、夫と共に店を出た。
すぐさま外で待機する探偵に連絡する。
潜入した2人も、5分ほど時間をずらして店を出た。
2人は歩いてわずか5分ほどの小さなラブホテルらしきところに姿を消したと、尾行する探偵から無線が入った。
40分ほどで、2人はその小さなラブホテルらしき建物から出てきて、再び店に戻った。
後日、妻と娘に結果報告。
妻は予想に反して冷静だった。
むしろ娘のほうが不潔であると感情をあらわにした。
しかしこのままのめり込み、お金を使うことは見過ごせないとして、今度は駒木が「夫婦問題カウンセラー」として夫と話をすることに。
しかし「夫婦間の修復」が目的であることから、調査を依頼したのは、妻(母親)に内緒で、娘が依頼したというシナリオをつくり、夫を説得することに…。
それから3カ月後、娘から手紙が届いた。
そこには、夫婦2人が肩を寄せ合う日光でのスナップ写真が添えられていた。
「雨降って地固まる・・・。真実を追求しようとする勇気、それが家族の絆を強めることになる。
そう信じています」と駒木代表取締役。
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