業界の健全化目指して ー 悩みの「駆け込み寺」でありたい
「GK探偵事務所宇都宮」(駒木憲一社長)は、開業から22年を迎えた。この間、駒木社長が一貫して訴えてきたのは探偵業界の健全化だ。「これまでも機会あるごとに語ってきましたが、ろくな調査をせずに法外な料金を請求するなどの悪徳業者が、まだ後を絶たないのです。そうした被害に遭わないためには、自分で足を運び業者を見極めることが重要です」と強調している。
「以前、実際に聞いたことですが、ある探偵事務所に相談に訪れたところ、依頼もしていないのに、調査したといって請求書が送られてきたというのです。まったく許せないですね」と駒木社長は語気を強める。
悪徳業者のやり方は実にさまざまだ。例えば連絡先にフリーダイヤルを掲げている場合。フリーダイヤルは、番号を見ただけでは局番が分からず、宇都宮に事務所があるように表記してあっても、実は違う場合が多いという。また、住所らしき表示はあるものの、末尾の枝番がはいっていなかったりして、事務所が探し出せないケースもある。
(当事務所ではお客様の利便性を考え、フリーダイヤルと固定電話の2つを用意し、googleマップからも事務所の場所を検索できるようにしてある。)
▽あの手この手で勧誘
さらに、聞こえのいい文言を並べたホームページを作って依頼者を勧誘するケースも増えてきた。「電話やインターネットなどの間接的な情報だけでは信用できる業者かどうか判断ができない事もあります。ぜひとも直接会って、自分で確認することが大切です」と駒木社長はアドバイスする。
その際にも、プライバシーにかかわる内容については、信頼できる相手であることを見極めてから伝えることが大切と強調する。依頼者の弱みを握っていることを利用する業者もいるからだ。
駒木社長に探偵を選ぶ際のポイントを挙げてもらった。
▽信頼関係こそが基礎
「結局、探偵と依頼人との間は信頼関係が基礎になるのです」と駒木社長。GK探偵事務所は、営業担当者と調査担当者を分業にせず、最初に相談を受けたスタッフが調査から報告までを受け持つシステムになっている。良く話を聞き、しっかり説明をし、同意を得たうえで着手する「インフォームド・コンセント」の考え方だ。
「相談では一切料金はいただいていません。素人では解決しにくいけれど、誰に頼めばいいか分からない、そんな問題がきっとあるはずです。どうか悩みを抱え込まないで相談してほしいと思います。探偵といえば、素行調査や人探しのイメージが先に立ちますが、困りごとの駆け込み寺でありあたいというのが、私たちの願いなのです」と駒木社長は呼びかけている。
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▽探偵選びのポイント
(1)調査料金が異常に安いところは注意!
素人同然のアルバイトを使っていたり、さまざまな名目で別途経費を請求されたりすることがある。どんな調査でもどうしてもかかる料金はある。表面上の料金に惑わされず、どんな費用が含まれているのか総合的に判断を。簡単にダンピングに応じる業者も危ない。何社かを比較して決めたほうが良い。(2)面談にはじっくりと時間をかける。
簡単に「できます」「大丈夫です」などと請け合う業者は避け、きちんと話を聞き、伴うリスクも説明をしてくれるところを選ぶ。すぐに契約の決断を迫るような場合も注意。いずれにせよ電話などだけで済ませず、必ず直接会って話を進めること。(3)全国に支社があるように見せている社もある。
全国展開がされているように見せかけながら実は事務所は1カ所しかなく、転送電話という社も多い。特にフリーダイヤルは地域が分からないので注意。また、「事務所は立て込んでいる」などと言って喫茶店などで会おうとする業者も怪しいとみるべき。(4)立派な団体や協会などに所属しているように見える業者にも警戒を!
誠実な団体や協会も存在するが、この業界の場合、有名無実であることが多い。くれぐれも名前に惑わされないように。(1)料金 | 「初めに聞いていた金額と違う」 「いろいろな名目で追加料金を請求された」「キャンセルを求めても返金してくれない 」など、料金が不明確。 |
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(2)テクニック | 「誰でも撮れる写真しか提供されなかったり、証拠として不十分な内容だった」 「写真が不鮮明で人物が特定できなかった」 など、技術的に未熟。 |
(3)調査報告 | 「いろいろな言葉が並べてありページ数も多いが、中身が伴わない報告書だった」 「口頭による報告だけだった」 など、本当に調査したのか疑わしい。 |
(4)相談に対する対応 | 「疑問な点をただしても、明確に答えてくれない」 「こちらから連絡を取ろうとしてもなかなか連絡が取れない」 など、探偵社だけの都合で調査される。 |