娘が嫁ぎ先から突然家出した。
あれほど可愛がっていた5歳の愛息を残してまで家出に駆り立てた理由はなんなのか?

舅(しゅうと) 姑(しゅ うとめ)も、両親もまったくと言っていいほどその理由が思い当たらない。
ただ、最も心配するはずであろう夫が、ことのほか冷静で平然としていることに娘の両親は違和感を覚えていた。

そして、夫の両親宛てに1通の手紙が届いた。

そこには、驚愕 (きょうがく) の事実が…。
暴露された夫の本性とは…。

捜索開始から5日後、依頼人である娘の父親から連絡が入った。
それは、夫の両親宛てに1通の封書が届いたというもの。

相談を受けた際、家出人からメールや手紙が送られてくることがある。
その場合、勝手にメールを返信したり、手紙の場合は肉親であっても絶対に開封せず、
必要以上に触れないように厳重に注意しておいた。
これは、失踪者捜索のプロフェッショナルとしての基本。

すぐに自宅へ行き、手紙を預かる。
その場で開封するよう懇願されたが、もし、平穏な生活に戻れる可能性があるのなら、知らないほうがいいケースもある。
持ち帰って手紙を開封すると、愛息を心配する母親としての愛情あふれる内容と、謝罪、
そして、意を決したかのように夫の本性が赤裸々につづられていた。

子どもが生まれて半年が過ぎたころから、夫の性的DVが始まり、妻が無抵抗なのをいいことにエスカレートしていく。
まるでジキルとハイド のように昼と夜の顔が違う。
私だけ我慢すればと数年耐えてきたが、それも限界だとつづられている。

その異常ともいえる変質的嫉妬心。
子どもが寝ると、毎日のように繰り返される異常なまでのサディズム的言動や行為はとても紙面では掲載できない。
夫は家出の原因が自分の性的DVであると察していたから、平然でいられたのだろう。

唯一の救いは、手紙の最後に、DV被害者を救済するNPO法人の連絡先が明記されており、
今後はそこを介してほしいと書いてあったことだった。
最善策として、その段階で今は、双方の両親には愛息と謝罪に関しての部分だけを伝え、
性的DVのことは伏せておき、GK夫婦問題専任カウンセラーと夫との2人だけで話し合った。

夫は性的DVを認めた。

次に、NPOと協議を重ね、担当者立ち会いのもと、妻とカウンセラーと話し合いを持つ。
愛息を置き去りにしてきたことに対する自責の念で涙が止まらなかった。

その後、離婚が成立し、両親の精神的・物質的両面での全面的な支援を受けて、
娘は愛息とその土地を離れて新しい生活を歩み始めた。

「誰にも打ち明けられない悩みほど苦しいことはありません。どんなことでも勇気を持って打ち明けてください。
共に悩み共に考えていきましょう!」

※ 本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。

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