【福祉関係の仕事に就いている31歳の娘が突然結婚したいと言ってきた。
これまで男性との浮いた話はひとつもなかった。
やさしく思いやりのある娘。
連れてきた45歳の男の清潔感も品格もない風貌と、調子の良さに夫婦は絶句した。
愛する娘の行く末を心配しない親はいない。
特に男性に免疫がない娘への心配が増幅する。
そして、驚愕 (きょうがく)の男の嘘偽りが次々と判明していく・・・】

まず、一つ目の嘘。
勤務している工場の統廃合により故郷の北陸を離れて栃木の工場に転勤したということ。
男は期間契約社員で正社員ではなく転勤は嘘。
職業の履歴は惨憺 (さんたん)たるものであった。

転職した数は7回。
長くて4年、最短3ヵ月で仕事を辞めている。
トラックの運転手から飲食店、建設業など一貫性がない。

二つ目の嘘。
身寄りがないということ。
北陸の雪深い町で母親と妹が2人で暮らしている。

三つ目の嘘。
結婚歴はないということ。
24歳の時、大阪に居たときに1度目の結婚。
女の子が生まれ、3年後に離婚。
2度目の結婚は愛知に居た35歳の時で、わずか1年で離婚。
不思議なことに、いずれの結婚も妻の姓にした。

これには理由があった。 名前を変え勤務先を変える。
つまり、元の姓と合わせて三つの姓名を変えてきたことで消費者金融からお金を借りまくっていた。
大のギャンブル好きで、賭け事の類はやりつくしているというような現状。

消費者金融には合わせて数百万円もの借入があることも分かった。
そんな素性調査をしている最中、依頼人である夫婦からのたっての要望で、2人のデート内容を知りたいと。

娘のデートを尾行する。
コンビニに男を迎ええに行き、向かった先はパチンコ店。
娘がバックから財布を取り出す。
尾行している探偵が視認した限りでは少なくとも5万円は渡していたことを確認した。

遊戯するのは男だけで、娘は隣の席でただ男の遊戯を見ている。
結局、パチンコはあたらずファミリーレストランへ。
ここでも支払いは娘。
驚いたのは、ファミリーレストランを出た後、別のパチンコ店に入った…。

後日、調査結果の報告は、自宅に出向くことになった。
これは娘を同席させ、目を覚まさせたいとの夫婦の思惑がある。

報告と娘の説得はゆうに5時間を超えていた。
最初は、頑なな態度をとっていた娘も、両親の愛情溢れる態度と母親の涙を見てついに崩れおちた。
結局、娘はその男に既に30万円を貸していることも白状した・・・。

「男女の交際から事件に発展するニュースが後をたちません。
真実は、何ものにも優先するのです。真実から眼をそむけて、愛する家族の尊厳を守ることはできません」と 駒木代表取締役。

※ 本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。

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