弁護士事務所からの紹介でGKを訪れた20代後半の妻。4歳になる女の子を連れてきた。
夫は、ふた回り年上で会社を経営している。夫には離婚歴がある。結婚前まで、妻は夫の経営する会社で社員として働いていた。
その当時から女性と不倫していたことは社内でも知れ渡っており、その女性との不倫関係が発端となって、夫は前妻と離婚した。
その女性社員も結婚していたが、結局、離婚して会社を退職し埼玉の実家に戻った。
当時妻は、経理を担当していたので、夫が社長という立場を利用して、不倫海外旅行に行った費用などを経理処理してきた経緯があり、現在も、その女性との関係が継続していると考えていた。それは、その女性が実家に帰ってから、会社名義のETCカードの明細票に、頻繁に埼玉の同じインター名が確認できたからだ。そのことも分かってはいたので、どんなに社長に誘われても、かたくなに断ってきた。
しかし、仕事への情熱は男の魅力として引かれるものがあった。また、「お母さんに…」と、何かにつけて母親への贈り物をされ、母親も喜んだ。そして次第に社長の誘いを断れなくなっていったという。
正直、愛というよりは、夫が持つ経済的ゆとりへの打算が強かったと妻は後悔する。
それは妻自身が小学5年生の時、不慮の事故で父親を亡くして、母親が3人の子供を育て上げただけに、金銭面の苦労は並大抵じゃなかったとその過去に起因している。
結局、交際が始まりすぐ妊娠。そして籍を入れた。
結婚して半年も過ぎると、夫は次第に家庭を顧みなくなっていった。自由気儘(きまま)な夫。 時に愚痴をこぼそうものなら、妻に暴言を吐き、4歳の子供にまで怒鳴り散らす。
大きな家に住み高級外車を与えられている生活。はたからみればお金持ちの奥様。
しかし、実際は孤独にさいなまれている「籠の中の島」。これまで耐えてきた4年間はなんだったのか。経済的なことを考えると我慢するしか ないと自分に嘘を言い聞かせてきた。
しかし、もう限界。今の生活を捨てても、子供と2人で成果るする道を選ぶことにした。
不貞行為の証拠をつかんで離婚したい。すると夫のパソコン履歴から…。
本文は依頼人の了承を得てプライバシーに配慮しています。写真はイメージです。文章とは関係ありません。