『妻の確信どおり、女性を乗せた夫の車はラブホテルへ。しかし思わぬ問題が。このホテルは、位置、造りから部屋を出る映像を撮るのが極めて困難。裁判でも立証できる映像を撮りたい。探偵たち試行錯誤が始まった。』 -前編より-
このホテルは、北・東・南の三方が住宅地に隣接してい塀で仕切られている築20年は超える古いラブホテル。駐車スペースの上が部屋となっており、ドアも駐車スペースの側面にあり、カーテンを閉めればドアの開閉はまったく外からは見えない構造になっている。
しかも、走行スペースは、車のすれ違いも難しいほど幅がない。夫の車も最初に入れようとした東側の駐車場所には入れにくく、唯一住宅街と隣接していない西側の部屋に入った。夫が入室した部屋の前面には、給水タンクと植栽があり、そこの間に、軽自動車ならギリギリ駐車できるスペースがある。
しかし、ホテルの従業員に不審がられずに待機(張り込み)は可能か? いずれにせよ、長時間待機するのは不可能だ。依頼人の情報から推測すると、入室している時間帯は午後1半から3時半。調査車両を軽ワゴン車に変え、デリバリーヘルス嬢の送迎を装い午後3時から待機させチャンスをうかがうことにした。すぐさま、女性スタッフをデリヘル嬢に変装させ車に。案の定5分とたたないうちに従業員が確認に来て、詰問されたがお客さまに依頼されたよう演技でその場を繕う。限界は30分。しかし、退室時間推定の3時半になっでもドアは開かない。
するとまた別の従業員がこちらに向かってくる。待機の限界か。と、その瞬間、満面の笑みを浮かべたふたりの姿が現れた。完ぺきにビデオに収める。カーテンを開ける前に女性を車に乗せなかった夫のミスが致命傷となった。
後日の報告で、さらに驚きの事実が。相手の女性は夫同士が中学の同級生であり、子供も学年違いで同じ学校に通っている。家族の付き合いもある。同じ浮気でもこの「裏切り」は、とてつもなく深い傷跡を残した。