車内にいた妻は、10分ほどしてエレベーターに乗り込んだ。他の客はいない。カップルを装った探偵も同乗する。
1階で降りた妻はエレベーター脇のトイレへ入る。女性探偵が後を追う。妻は、洗面台の前化粧を直している。
ほどなくして、トイレを出た妻は再びエレベーターに乗り込む。
しかし、他の客もいない。
今度ばかりは、警戒度の強い妻と同乗はできない。エレベーターは何階で停まるのか・・・。
エレペーターに隣接する階段で待機している別の探偵に無線で指示する。エレベーターの階数表示のランプに目を凝らす。
「2階通過、3階通過・・・ 4階 4階!!!」
4階で降りた妻を階段から来た探偵が追う。車両追跡班は、駐車場の入口を固める。
すると妻は、黒い車に乗り込んだ。車種・ナンバーを無線で連絡する。その車は、どこへ寄ることもなく、そのままラブホテルへ。
確固たる不貞の証拠を手に入れるために、空き部屋のスペースに車を入れ、撮影する探偵を後部座席に残し、客を装い一人を入室させる。
2時間後出入口から、まず、男性が姿を見せた。
「若 い!」
妻とは、ひと回りほど年下ではないだろうか。 スーツを着た会社員の男性だ。男性は一度周囲を見回し、後ろを振り向き手招きした。 そこには、の笑顔があった。
しかしそれだけでは終わらない。妻が車を降り、自分の車に乗り込む映像を捕らえるため、既に、妻の車付近に撮影班を待機させてある。
案の定、車は、妻の車の隣へ来た。ファインダー越しには、口づけを交わす2人の姿が。
その後、男性の尾行に切り替え、その素性を洗った。男性は、妻の職場の同僚であり、独身であることが判明。
理性・意志・情・・・人の心は複雑だ。 しかし、悩み苦しんでいる人がいる以上、 真実を追求する。GK探偵事務所の使命だ。
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