前編はこちらをご覧ください。


JR在来線にのり、赤羽駅で乗り換え、ある駅で降りた。すでに男性はホームで待っていた。人目を憚らず。抱き合う。腕を組みし、満面の笑みを浮かべている。近くの商店街を探索しながらお惣菜や酒などを購入していく。そこで、妙な違和感が。それら全ての支払いを母親がしているからだ。それから徒歩で20分ほどの木造2回建ての築40年ほどの2回の一室に入った。洗濯機が入り口脇に置いてあるような古いアパート。この事実は娘も聞かされていない。母はそれから忙しく玄関前の掃き掃除をしたり、洗濯をしたりしていた。


この場所さえ判明すれば、この男の素性調査に着手できる。次々と嘘と真実をブレンドした男性の嘘が明らかになった。氏名と生年月日と出身地は真実。都内有名私立大学卒業・8年前に離婚・金銭的に余裕がある・図書館通い・・・全くの嘘偽りだった。事実は、四国に年老いた母親と妻と成人した子どもたちを残して逃げてきた。その理由は。ギャンブルで作った800万円を超える・つまり地元には住めずに昨年9月から都内に潜伏しているということ。仕事は日雇いの道路警備だった。後日娘に報告。映像を見てもらう。嬉しそうな母の顔。この母の顔を見ると「真実を告げたほうがいいのか?」娘は葛藤し。ただただ泣いていた。
担当した探偵たちも幸せな結末を願ってやまない調査だった。

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